「ニューバランス✕三村氏」第一弾は厚底全盛期に異議を唱える(文字通りの)硬派シューズ
ニューバランス Hanzo S V2とは
筆者がかねてより注目していたシューズ「ニューバランスHanzo S V2」が2018年12月14日に発売されます。HanzoラインはニューバランスJapanの現行ランニングシューズのトップカテゴリーに位置し、特にHanzo “S”はサブ3以上向けの最上位モデルです。
筆者がこのV2に注目していたのは製作者です。本シューズの制作はランニング業界で有名な三村仁司氏が担当しています。
三村仁司氏とは
三村氏といえばいわずとしれたシューズ職人ですが、ご存じない方のために概略を。
三村氏はアシックスで数多くのプロランナー用シューズ制作に携わった後(定年退職後?)にアディダスとアドバイザー契約を締結。アディダスでは箱根を制した青学が使用するAdizero takumi senを始め、筆者も愛用するAdizero takumi renなど名作を世に送り出しました。
その後、背景事情はわかりませんがアドバイザー契約先がニューバランスに代わり、この度ニューバランスとのコラボ第一弾が発売されるというわけです。
筆者はAdizero takumi renがマラソンのメインシューズであるため、この三村氏モデルは次期主力シューズ候補として大いに注目していました。
試し履きの感想
Hanzo S V2は公式サイトにて現在予約受付中ですが、大手シューズショップには試し履き用サンプルが配られているようです。筆者も本日、渋谷のB&Dにて試し履きを行うことが出来たので、その結果を記載したいと思います。
まず結論から言って、Hanzo S V2(または1ランク下のR V2)を次期主力シューズにすることは見送りとしました。その理由となる本シューズの特徴を記載すると以下になります。
- ソールは薄くてかなり硬め
- Adizero takumi senを上回るダイレクト感で、特にカカト部分が硬く感じる
- ナイキの厚底・高クッションニングシューズに真っ向から意を唱える作り
- 前足部の屈曲性はかなり高い
- カカト部分は高速レーシングモデルにしては意外とゆとりがある作り
- 幅はDワイズとEワイズ設定があり。筆者はDワイズでピッタリ
- サイズはやや大きめな作りで、Adizeroシリーズより0.5cmダウンでピッタリ
三村氏はインタビュー等でたびたび厚底シューズに意を唱える発言をしています(「全否定ではなく脚のタイプによって厚底が合う人と合わない人がいる」という趣旨)。
Hanzo S V2は、その思いを前面に押し出したかのように文字通り硬派な作りのシューズです。そして残念ながら筆者は、過去にAdizero takumi senでフルマラソンを完走したこともある脚力ですが、「Hanzo S V2ではフルマラソンは無理だな」と感じざるを得ない作りでした。
またAdizero takumi時代はカカトの作り込みが素晴らしく、カカトのフィット感が極めて高かったのですが、Hanzo Sは三村氏在籍時のアシックスのシューズのようにカカトにゆとりがある作りです(これも三村氏のこだわりなのでしょうか?)。
いずれにせよ、硬すぎてカカトのフィットが緩やかという時点で、次期勝負シューズ候補からは外れてしまいました。
まとめ
今回試着したのは初回ロットの予約用の試し履きモデルなので、今後改良が加えられるかもしれません。
本試し履きだけで判断するのは早計かもしれません。
名作Adizero takumi renの廃盤が決まっている中で、三村氏をアドバイザーに擁するニューバランスには是非とも頑張ってほしいと思います。
ではまた。